猫を多頭飼いしていると、猫同士が寄り添って寝たり、毛づくろいをし合ったりする姿を想像するかもしれません。
でも、実際に一緒に暮らしてみると、すべての猫が仲良くなるとは限りません。
我が家には五猫がいます。
その中でも、三ニャン坊のさんたと五ニャン娘のみゃあは、みゃあを我が家に迎え入れたときから、ずっと仲が良いとはいえない関係です。
長く一緒に暮らしていれば、そのうち仲良くなる。
そんなふうに考えることもできますが、我が家の二猫を見ていると、必ずしもそうではないのだと思います。
だから我が家では、無理に仲良くさせることよりも、仲が良くない二猫が、それぞれ安心して暮らせることを大切にしてきました。
さんたとみゃあは、迎え入れたときから仲が良くない
みゃあを迎え入れてから現在まで、さんたとみゃあの関係は大きく変わっていません。
なぜなのか、本当の理由は猫に聞かなければ分かりません。
ただ、長年一緒に暮らしてきた私には、さんたは意外と独占欲が強く、
「みゃあに私を取られた」
と感じているのではないか、と思えることがあります。
もちろん、これは私が二猫を見てきて感じていることで、本当にさんたがそう思っているのかは分かりません。
ただ、二猫の関係を見ていると、「時間が経てば自然に仲良くなる」と単純には考えられない状態が、ずっと続いています。
みゃあは、さんたがいると同じ空間にほとんどいられない
二猫の関係が分かりやすく表れるのが、みゃあの行動です。
みゃあは、さんたを視界に捉えると逃げます。
さんたが近づいてくれば、
「シャーッ」
と威嚇することもあります。
そのため、二猫が同じ空間で一緒にくつろいでいるということは、ほとんどありません。
そして、私が特に気にしているのがご飯を食べるときのみゃあの行動です。
ご飯を食べる前に、さんたがいないことを確認するみゃあ
みゃあのご飯器は、リビングに置いてあります。
ところが、リビングはさんたが普段から過ごしていることの多い場所です。
つまり、みゃあにとっては、ご飯を食べに行く場所がさんたのテリトリーともいえる場所になっています。
みゃあは、ご飯器のところへ行ってすぐに食べ始めるわけではありません。
さんたが近くにいないかを十分に確認してから食べ始めます。
普段、ご飯器から食べているのは、よほどお腹が減っているときや、さんたが寝ているとき、あるいはその場にいないときが多いです。
この様子を見ていると、私が家にいない時間帯の夜ご飯を、みゃあが満足に食べられていない可能性もあります。
そこで我が家では、別の方法でみゃあが食べられる時間を作っています。
だから朝と夜、私の手からみゃあにご飯をあげています
私は、朝と夜の1日2回、みゃあに自分の手からご飯をあげています。
これは最近始めたことではなく、ずっと続けている我が家の日常です。
五猫の夜ご飯の時間帯に、私がまだ帰宅できていないことも多くあります。
その時間にみゃあがどれくらい食べられたのか、私は毎日すべてを確認できるわけではありません。
だからこそ、帰宅してから寝る前に、みゃあが私の手からご飯を食べる時間を作っています。
実際の様子がこちらです。
そして朝も同じです。
毎朝、みゃあとのご飯の時間があります。
「手からしか食べられないようにしたい」わけではありません。
さんたとの関係によって十分に食べられない時間があるかもしれない。
そう考えているから、みゃあが安心して食べられる時間として、朝晩のこの習慣を続けています。
「それなら、みゃあのご飯器を別の部屋に移せばいいのでは?」
ここまで読むと、そう思われる方もいると思います。
私自身も、それは考えられる方法だと思います。
みゃあが普段過ごしていることの多い場所は、1階玄関横の部屋と私の寝室です。
だったら、リビングにあるみゃあのご飯器を、どちらかの部屋へ移せばいい。
一見すると、それで解決するようにも思えます。
それでも我が家では、あえてご飯器を移動していません。
ご飯器を移動しないのには、さんた側の理由があります
さんたは、とにかく大食漢です。
食べることが大好きなさんたの性格を長年見ていると、みゃあのご飯器を別の部屋へ移した場合、今度はそのご飯を求めて、さんたがその部屋まで行くようになるのではないかと私は考えています。
そうなれば、現在はみゃあが比較的安心して過ごしている1階玄関横の部屋や私の寝室にまで、さんたの行動範囲が広がるかもしれません。
もちろん、実際にご飯器を移して試したわけではありません。
ですから、必ずそうなるとは言えません。
ただ、さんたとみゃあを長年見てきた我が家では、
「ご飯器を移動することで、今あるみゃあの安心できる場所まで変えてしまわないか」
ということも考えています。
そのため、ご飯器はあえて現在のリビングに置いたままにして、朝晩に私の手から食べてもらう方法を続けています。
一般的には、多頭飼いで猫同士の相性が悪い場合、食事場所を離したり、別々の部屋で食べてもらったりする方法もあります。
ただ、五猫と暮らしてきて感じるのは、一つの問題だけを切り取って配置を変えれば、すべて解決するとは限らないということです。
一猫のために何かを変えれば、別の猫の行動も変わる可能性があります。
だから我が家では、「一般的にはこうする」だけではなく、五猫それぞれの性格と普段の行動を見ながら判断しています。
五猫には、それぞれよく過ごしている場所がある
さんたとみゃあが長年同じ家で生活できている理由の一つとして、我が家が戸建てで、それぞれの猫がよく過ごす場所が自然と分かれていることも大きいと思っています。
- クロ:妻の部屋、リビング
- チビ:妻の部屋、リビング
- さんた:リビング
- たかんぼ:妻の部屋、リビング、1階玄関横の部屋
- みゃあ:1階玄関横の部屋、私の寝室
「この猫はこの部屋から出てはいけない」と決めているわけではありません。
それぞれが自分で居心地のいい場所を選んで過ごした結果、生活する場所がある程度分かれています。
特にさんたはリビング、みゃあは1階玄関横の部屋や私の寝室で過ごすことが多いため、ずっと顔を合わせ続けなければならない環境にはなっていません。
我が家の場合、この「離れていられる場所があること」が、二猫が一緒の家で暮らしていくうえで、とても大きかったのではないかと思っています。
多頭飼いだから、みんな仲良しでなくてもいい
猫を何猫も迎えれば、みんな仲良く暮らしてほしい。
飼い主として、そう思うのは自然なことだと思います。
私だって、さんたとみゃあが仲良く寄り添って寝てくれたら嬉しいです。
でも、現実にはそうなっていません。
だからといって、無理に同じ場所にいさせたり、仲良くなることだけを目標にしたりする必要はないと、今は思っています。
大切なのは、
- 相手を怖がっていないか
- 安心して休める場所があるか
- ご飯を十分に食べられているか
- いつもと違う行動をしていないか
そういった一猫一猫の生活を見ることではないでしょうか。
特に今回紹介したみゃあの場合、私が気になったのは「さんたと仲が悪い」という事実だけではありません。
その関係が、みゃあの食事にまで影響しているかもしれないことでした。
だから朝晩に手からご飯をあげる。
一方で、みゃあの生活場所を守るために、ご飯器は簡単には移動しない。
これがすべての猫にとって正解だとは思っていません。
ただ、さんたとみゃあと長年暮らしてきた我が家では、現在この方法を選んでいます。
仲良くさせることより、それぞれが安心して暮らせること
さんたとみゃあは、今でも仲良しではありません。
みゃあはさんたを見れば逃げることがありますし、近づかれれば威嚇することもあります。
それでも二猫は、同じ家で長年暮らしてきました。
その生活を支えているのは、「いつか仲良くなってほしい」と無理をさせることではなく、それぞれが安心して過ごせる場所を残し、一猫一猫の行動を見ながら人間側が生活を調整していくことなのだと思っています。
多頭飼いをしていて、猫同士がなかなか仲良くならない。
そんな状況に悩んでいる方に、我が家のさんたとみゃあの暮らしが、一つの実例として届けば嬉しいです。



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