Yahoo!知恵袋で、猫のリンパ腫についての投稿を見つけました。
9歳の猫がリンパ腫と診断された。
抗がん剤治療をすることになった。
治療には、かなりのお金がかかる。
それでも命には変えられないから、抗がん剤治療を選択した。
「皆さんならどうしますか?」
という内容でした。
この投稿を読んで、私は次ニャン坊チビのことを思い出しました。
チビもリンパ腫でした。
そしてチビは、合計5回の外科的処置を受けています。
治療費が高額だから、途中で治療をやめよう。
私は、そう考えたことは一度もありませんでした。
妻とも治療方針について意見が割れたことはありません。
私も妻も、
「その時点でチビにとって最良の選択が手術である」
と考えていたからです。
ただ、だからといって私は、
「猫の命には変えられないのだから、いくらお金がかかっても治療するべき」
と、全ての飼い主さんに言うつもりはありません。
猫の状態。
治療によって期待できること。
猫自身の負担。
そして、QOL。
実際にチビのリンパ腫と向き合ったからこそ、治療をするか、しないかを、金額だけで答えることはできないと感じています。
今回は、猫がリンパ腫と診断され、高額な治療費が必要になった時にどうするのか。
次ニャン坊チビの闘病を経験した、一飼い主としての考えを書きます。
この記事で分かること
- 猫のリンパ腫で治療費が高額になった時の我が家の判断
- チビに5回の外科的処置を受けさせた理由
- 治療費を理由に治療をやめようと考えたことはあったのか
- 5回目の手術で腫瘍を完全切除できなかった時のこと
- 治療からQOLを重視した生活へ変わった経緯
- 「皆さんならどうしますか?」と聞かれた時の私の答え
- 猫のリンパ腫に高額な治療費が必要なら、皆さんはどうしますか?
- 費用が高額だから治療を途中でやめようとは、一度も考えませんでした
- 妻とも治療方針で意見が割れたことはありません
- 「命には変えられないから、いくらかかっても治療するべき」とは思いません
- 猫のリンパ腫は、治療方法が一つではありません
- 5回目の手術で、チビの腫瘍は完全に取り除けませんでした
- 完全切除できなくなった後、私達が考えたのはチビのQOLでした
- 延命か、苦痛を減らすか。私は簡単な二択では答えられません
- 猫の抗がん剤治療は「人間と同じ苦しさ」と決めつけない方がよいと思う
- チビのリンパ腫闘病については、別の記事に詳しく残しています
- 「皆さんならどうしますか?」と聞かれた私の答え
- まとめ|治療費の金額ではなく、その治療が猫に何をもたらすのかを考えたい
- 参考にした情報
猫のリンパ腫に高額な治療費が必要なら、皆さんはどうしますか?
今回見つけたYahoo!知恵袋の投稿では、9歳の猫がリンパ腫と診断され、抗がん剤治療を受けることになったと書かれていました。
かなりの金額がかかる。
でも、命には変えられない。
だから抗がん剤治療をする。
そして、
「皆さんならどうしますか?」
と質問されていました。
もし、リンパ腫だったチビとの生活を経験する前の私なら、すぐに答えることができなかったかもしれません。
ただ、今の私には実体験があります。
チビはリンパ腫でした。
首元にできた小さなシコリから始まり、複数の医療機関を受診しました。
そして最終的に、チビは5回の外科的処置を受けました。
その経験をした私が、
「治療費が高額ならどうしますか?」
と聞かれたら。
私は、その時点でチビにとって最良だと考えられる治療を選びます。
実際、私達はそうしました。
費用が高額だから治療を途中でやめようとは、一度も考えませんでした
チビの治療が続く中で、費用がかかっていることは当然分かっていました。
一度の診察で終わったわけではありません。
複数の医療機関を受診。
検査。
そして、5回の外科的処置。
治療が続けば、その分だけ費用もかかります。
ただ、
「費用が高額だから、ここで治療をやめよう」
と考えたことは、全くありませんでした。
これは、格好をつけて書いているわけではありません。
チビの治療について、私が実際にそう考えていたというだけです。
治療を続けることで、チビにとって良い結果が期待できる。
担当の先生と話をし、その時点で手術がチビにとって最良の選択だと判断する。
それなら、手術を受けさせる。
私の中では、その判断でした。
治療費の金額を見て、チビの手術をやめるという選択肢はありませんでした。
妻とも治療方針で意見が割れたことはありません
猫が大きな病気になった時、家族の中で治療方針について意見が分かれることもあると思います。
手術を受けさせたい。
これ以上、猫に負担をかけたくない。
抗がん剤を使いたい。
副作用が心配。
高額な治療費をどこまで負担できるのか。
どれも簡単な問題ではありません。
ただ、チビについては、私と妻で治療方針が割れたことはありませんでした。
私も妻も、チビにとっての最良の選択が手術であると考えていました。
だから、手術を選びました。
一回。
二回。
三回。
四回。
そして、五回目。
回数だけを見れば、
「五回も手術を受けさせたのか」
と思う方もいるかもしれません。
しかし私達は、回数だけで判断していたわけではありません。
その時、その時のチビの状態。
先生から受けた説明。
手術によって期待できること。
それらを考えた上で、手術を選びました。
「命には変えられないから、いくらかかっても治療するべき」とは思いません
ここまで読むと、
「この人は、猫のためなら金額に関係なく治療をするべきだと考えている」
と思われるかもしれません。
違います。
私は、他の飼い主さんに、
「命には変えられないのだから、借金をしてでも治療するべき」
とは言えません。
治療費を負担できる状況は、家庭によって違います。
猫の年齢も違います。
リンパ腫の種類も違います。
病気の進行状態も違います。
治療によって期待できる結果も違います。
猫自身の体力も違います。
だから、
「治療を選んだ飼い主は猫を愛している」
「治療を選ばなかった飼い主は猫を愛していない」
そんな単純な話ではないと思っています。
私はチビに5回の外科的処置を受けさせました。
それは、私達夫婦が、その時点でチビにとって最良だと判断したからです。
他の猫、他の家庭にも同じ選択が正しいとは言えません。
猫のリンパ腫は、治療方法が一つではありません
猫のリンパ腫と一言で言っても、発生した場所や病型、進行状態などによって治療方針は異なります。
抗がん剤治療。
外科手術。
放射線治療。
そして、症状や苦痛を和らげることを目的とした緩和ケア。
猫の状態に応じて、治療方法が検討されます。
今回のYahoo!知恵袋の投稿では、抗がん剤治療を選択されています。
一方、チビは外科的処置を受けました。
だから、
「チビは手術をした。リンパ腫なら手術をするべき」
という話ではありません。
リンパ腫の状態によっては、化学療法が治療の中心になる場合があります。
また、治療の目的も、必ずしも「完全に治すこと」だけではありません。
病気の進行を抑えながら、できるだけ良好なQOLを保つ。
猫が普段に近い生活を送れる時間を作る。
獣医療におけるがん治療では、そのような考え方も重視されています。
だからこそ、治療費の金額だけを見て、治療する、しないを決める話ではないと私は思います。
5回目の手術で、チビの腫瘍は完全に取り除けませんでした
チビは5回の外科的処置を受けました。
しかし、5回目の手術。
状況が変わりました。
腫瘍が神経などに絡まっていました。
完全に切除することができない。
そう診断されました。
手術費用が高額だから、治療をやめたわけではありません。
私達が、
「もうお金をかけるのはやめよう」
と決めたわけでもありません。
医学的に、腫瘍を完全に取り除くことができない状態になっていました。
それまで私達は、腫瘍を取り除くための治療を選択してきました。
しかし、取り除くことができない。
そこで、チビとの向き合い方は変わりました。
完全切除できなくなった後、私達が考えたのはチビのQOLでした
5回目の手術後。
腫瘍を完全に取り除くことができないと分かった後。
私達が考えたのは、
「次は何をすれば、さらに命を延ばせるのか」
だけではありませんでした。
できるだけチビのQOLに気を配りながら過ごす。
私達は、そこを大切にしました。
QOL。
Quality of Life。
生活の質です。
ご飯を食べられる。
落ち着いて眠れる。
自分で移動できる。
いつもの場所で過ごせる。
大好きだったクロのそばにいる。
チビが、できるだけチビらしく過ごせること。
病気を治すことが難しくなったからといって、何もできなくなったわけではありません。
治すための治療から、穏やかに過ごすための時間へ。
私達の意識は、少しずつ変わっていきました。
延命か、苦痛を減らすか。私は簡単な二択では答えられません
猫のがんについて話をすると、
「少しでも長く生きてもらうために延命するのか」
「治療をやめて苦痛を減らすのか」
という二択で語られることがあります。
私は、この質問に簡単には答えられません。
チビとの経験があるからです。
私達は、最初から治療を諦めたわけではありません。
5回の外科的処置を選びました。
一方で、腫瘍を完全切除できないと分かった後も、何が何でも延命だけを求め続けたわけではありません。
その時のチビの状態を見ながら、できるだけQOLを保つことを考えました。
治療する。
治療しない。
延命する。
延命しない。
実際に病気の猫と生活すると、そんなにきれいな二択ではありませんでした。
その時の猫の状態を見て、その時できる選択をする。
少なくとも、チビとの闘病ではそうでした。
猫の抗がん剤治療は「人間と同じ苦しさ」と決めつけない方がよいと思う
今回のYahoo!知恵袋の投稿では、抗がん剤治療を選択されています。
抗がん剤と聞くと、強い副作用で苦しむ姿を想像する方もいると思います。
ただ、猫のがん治療では、QOLを保ちながら治療を行うことが重要な目的の一つです。
実際、猫のリンパ腫に対する化学療法中のQOLについて、飼い主の評価を調べた研究もあります。
治療中に副作用を経験した猫はいましたが、多くの飼い主が治療を選んだことに満足し、再び同じ状況になった場合にも治療を選ぶと回答した研究があります。
もちろん、全ての猫が同じ反応をするわけではありません。
抗がん剤の種類。
治療方法。
猫の体調。
リンパ腫の状態。
それぞれ違います。
だから、
「抗がん剤はかわいそうだから絶対にしない」
「命には変えられないから絶対に抗がん剤をする」
どちらか一方を、他の猫にも当てはめることはできないと思います。
担当の獣医師から、治療によって何が期待できるのか。
どのような副作用が考えられるのか。
治療中のQOLをどう見ていくのか。
説明を受けた上で判断する必要があります。
チビのリンパ腫闘病については、別の記事に詳しく残しています
この記事では、治療費と治療選択について、私自身がどう考えたのかを書いています。
チビのリンパ腫が見つかったきっかけ。
首元の小さなシコリ。
複数の医療機関を受診したこと。
5回の外科的処置。
余命について受けた説明。
そして、チビとの約2年間の闘病。
チビの闘病そのものについては、こちらの記事に詳しく残しています。
猫のリンパ腫と診断されたら|闘病・余命・向き合い方【実体験】
私は、チビにしてあげられることは、全てやったと思っています。
後悔はありません。
ただ、哀しみはあります。
この二つは、私の中では全く別のものです。
「皆さんならどうしますか?」と聞かれた私の答え
9歳の猫がリンパ腫と診断された。
抗がん剤治療には、かなりの金額がかかる。
命には変えられないから、治療をすることにした。
皆さんならどうしますか。
この質問に、今の私が答えるなら。
私は、治療によってその猫に良い結果が期待できるのであれば、治療を選びます。
チビの時も、そうしました。
費用が高額だからという理由で、途中で治療をやめるという選択はありませんでした。
妻とも意見は同じでした。
その時点でチビにとって最良の選択が手術だと考えたから、5回の外科的処置を受けさせました。
そして、腫瘍を完全に取り除くことができなくなった後は、チビのQOLを大切にしながら過ごしました。
だから私の答えは、
「命には変えられないから、いくらかかっても治療する」
ではありません。
その治療が、その時の猫にとって何をもたらすのかを考えて選ぶ。
です。
治療をすることが最良なら、私は治療を選びます。
治すことが難しくなった時には、QOLを考えます。
チビとの約2年間の闘病を経験した私が、今言えるのはそれです。
まとめ|治療費の金額ではなく、その治療が猫に何をもたらすのかを考えたい
猫のリンパ腫治療には、高額な費用がかかる場合があります。
今回のYahoo!知恵袋の投稿者さんは、命には変えられないから抗がん剤治療を選択したと書かれていました。
私は、その選択を否定する理由はありません。
私自身、リンパ腫だったチビに5回の外科的処置を受けさせています。
費用が高額だから治療を途中でやめようと考えたことは、一度もありませんでした。
ただし、全ての飼い主さんに同じ選択を求めることもできません。
治療費。
猫の状態。
治療によって期待できること。
猫の身体への負担。
そしてQOL。
それぞれを考えた上で、飼い主が選択することになります。
チビの場合、私達は手術を選びました。
5回目の手術で腫瘍が神経などに絡まり、完全切除できないと分かった後は、できるだけチビのQOLに気を配りながら過ごしました。
私は、その選択を後悔していません。
やれることは、全てやったと思っています。
だからこそ、猫のリンパ腫に高額な治療費をかけるかと聞かれた時、金額だけでは答えられません。
その治療が、その猫に何をもたらすのか。
私は、そこを考えて選びたいと思っています。
※本記事は、リンパ腫だった次ニャン坊チビとの実体験と、公開されている獣医腫瘍学の情報をもとにした一飼い主としての考えです。猫のリンパ腫は病型、発生部位、進行状態などによって治療方針や見通しが異なります。治療方法については、担当の獣医師と十分に相談してください。
参考にした情報
- NC State Veterinary Hospital:Feline Lymphoma
- Royal Veterinary College:Feline Cancer – Owner’s FAQ
- Owners’ perception of their cats’ quality of life during COP chemotherapy for lymphoma
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